#養子 #相続税 #節税 #節税対策
節税は合法です。
お得に節税しましょう。
このブログでは、相続税の節税対策を取り上げていきます。
10個の節税対策、おまけ3個。
加えて、忘れずに受けたい特例2個。
まずは、1個目です。
その1「養子」
養子縁組で、例えばお孫さんを養子にします。(※1)
すると、相続人が増えて基礎控除額が増加し、相続税が安くなります。(※2、3)
さらに、税率が下がって相続税が安くなることもあります。(※4)
※1 民法792条以下。
※2 民法809条、887条。
※3 相続税法15条。
※4 相続税法16条。

基礎控除額
相続税は、誰でもがかかる税金ではありません。
専門的には「基礎控除額」といいますが、課税最低限があります。
相続財産が基礎控除額の範囲内であれば、相続税はかかりません。
では、基礎控除額はいくらか?
それは、相続人の人数で変わります。
計算式は、
3,000万円+600万円×相続人の人数。
(例)奥様と子供さん2人で相続人が3人。
基礎控除額は、
3,000万円+600万円×3人=4,800万円
ここで、お孫さん1人を養子にすると相続人が4人になり、基礎控除額は、5,400万円に増えます。
3,000万円+600万円×4人=5,400万円
※これは、平成27年からの計算です。
制度が改正され、増税になりました。
※平成26年までは、
5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円 でした。
つまり、控除額が6割に減額されました。
(8,000万円 ➡ 4,800万円)
かからない範囲が小さくなり、増税になりました。
このため、お金持ちだけの税金と考えられていた相続税が、庶民でもかかる?
ということで、新聞や雑誌、テレビなどのマスコミでも、特集が組まれました。
税率
相続税の税率は、階段状の構造です。
※専門的には、超過累進税率といいます。
金額が増えると税率も上がります。
基礎控除額が増えて、課税対象金額が下がれば、税率も下がります。
実は、相続税の計算はちょっと複雑です。
一旦、法定相続人ごとに、法定相続分で分けてから税率をかけます。
算出された相続人ごとの相続税額を合計して、相続税の総額を計算します。
その総額を、相続人ごとに、相続する金額で配分します。
一言でいうと、2段階で計算します。
実際の計算例で説明します。
【具体例】
〇奥様と子供さん2人で相続人が3人。
〇お孫さん1人と養子縁組。
相続人が4人になります。
〇相続財産が、9,800万円のケース。
(注)養子の人数制限があります。
- 実子がいる場合は、1人
- 実子がいない場合は、2人
つまり、節税の上限があるということ。
お孫さん3人を養子にしても、節税額は同じです。
それでは、具体的に計算してみます。
養子縁組前の相続税の計算
基礎控除額は、
3,000万円+600万円×3人=4,800万円
9,800万円ー4,800万円=5,000万円
この金額を法定相続分で分配し、税率をかけます。
(奥様)
5,000万円✖1/2=2,500万円
1,000万円以下は、10%で100万円(①)
1,000万円超3,000万円以下は、15%。
2,500万円ー1,000万円=1,500万円
1,500万円✖15%=225万円(②)
①+②=325万円(③)
(子供さん)1人ずつ計算
5,000万円✖1/4=1,250万円
1,000万円以下は、10%で100万円(④)
1,000万円超3,000万円以下は15%。
1,250万円ー1,000万円=250万円
250万円✖15%=37万5千円(⑤)
④+⑤=137万5千円(⑥)
相続税の総額(相続税の合計額)
③+⑥✖2人=600万円
養子縁組後の相続税の計算
基礎控除額は、
3,000万円+600万円×4人=5,400万円
9,800万円ー5,400万円=4,400万円
この金額を法定相続分で分配し、税率をかけます。
(奥様)
4,400万円✖1/2=2,200万円
1,000万円以下は、10%で100万円(⑦)
1,000万円超3,000万円以下は、15%。
2,200万円ー1,000万円=1,200万円
1,200万円✖15%=180万円(⑧)
⑦+⑧=280万円(⑨)
(子供さん)1人ずつ計算
4,400万円✖1/6=7,333,000円
※千円未満切捨て
1,000万円以下の部分は、10%。
7,333,000円✖10%=733,300円(⑩)
相続税の総額(相続税の合計額)
⑨+⑩✖3人=4,999,900円
具体例のとおり、養子縁組により基礎控除額が増えて、課税対象が少なくなるとともに、適用する税率も下がります。
その両方の効果で、相続税が安くなりました。
(注)
養子を増やして相続税を節税には、注意点があります。
その注意点は、次のブログで改めて説明します。
【関連記事】
養子を増やして、まさかの争続?相続税の節税対策には4つの注意点が
10個の節税対策一覧

まとめ
このブログでは、相続税の節税対策その1、養子を増やして相続税を節税する。
その仕組みについて、書いてきました。
このブログがきっかけで、節税できることを祈念します!
なお、他のブログに譲りましたが、注意点は重要ですので、必ずご確認ください。
もしも、困ったことがあれば、気軽に相談してください。
【関連記事】
目次・養子関連ブログを検索しやすく。養子を増やして相続税を節税
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